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ネクスト通信
2024/07/17

注文住宅の費用相場はいくら?予算を抑える方法も解説

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注文住宅を建てる際に、気になることといえばどのくらいの価格相場で家づくりができるのかということではないでしょうか。

注文住宅は、土地の選定から間取り・設備の決定まで、自由に自分たちで決めることができます。ただし、予算を決めずにとことんこだわると、その分建築費用も高くなりやすいです。

注文住宅にかかってくる費用は、建物の大きさや広さ、設備のグレードなどによって大きく変わってきます。まずは注文住宅の価格相場を知り、自分たちが設定した予算でどんな家が建てられるのかをイメージしましょう。

本記事では、注文住宅の費用相場について解説しています。

これから注文住宅での家づくりを考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

新築一戸建ての注文住宅で費用相場はいくら?

2022年度の住宅市場動向調査によると、住宅と土地の購入資金の平均は5,436万円です。土地がもともとある人が家を建てる場合の購入資金は4,487万円になるため、大体これらの金額が注文住宅を建てる際の費用相場と考えてよいでしょう。

2021年度は、住宅と土地の購入資金の平均が5,112万円、土地ありの場合が平均3,299万円だったことから、住宅の購入資金が年々高くなっていることが分かります。

注文住宅の購入資金が高騰している原因は、いくつかあります。

一つは、新型コロナウイルスによって世界の木材需要が増加したことによって起きた、ウッドショックによる木材の価格高騰です。コロナ禍によって在宅時間が増えて住宅需要が高まり、外国産の木材の価格が高まっていることが、注文住宅価格の高騰の一因です。

また2024年現在では、ロシアのウクライナ侵攻により建築資材の不足や円安なども影響しています。

日本の住宅市場は、多くの建材や設備において外国に依存しています。円安によって輸入する設備や建材の価格が上昇しているため、そのまま注文住宅の建築費用にも影響しているのです。

さらには、注文住宅を建てる現場の人件費が高騰していることも、注文住宅の価格上昇の原因です。人手不足の解消や働き方改革の影響もあり、2024年にはさらに人件費が高くなることが予想されます。

このように、多くの原因から注文住宅の価格が上昇傾向にあるのです。

坪数別でかかる注文住宅の費用相場はいくら?

2022年度のフラット35利用者調査では、2022年度に注文住宅で融資を利用した人の主要指標が示されており、それによると1m2当たりの建築費用は約30万円ほどでした。

この1m2当たり30万円を目安に、坪数別での注文住宅の費用相場がどのくらいになるのかを見てみましょう。

30坪の注文住宅を建てる場合

30坪は約100m2のため、30万円で掛け算すると3,000万円となります。この3,000万円が注文住宅を建てる際の大体の目安です。ただ、この金額は建物の本体価格なので、土地の購入費用がこれに上乗せされます。

また、ローコストのハウスメーカーの場合、この金額よりもさらに費用を抑えられる可能性もあります。

30坪の家は家族3〜4人暮らしをするには適当な大きさであるといわれています。3〜4人暮らしを検討している方は、約30坪を目安にするとよいでしょう。

35坪の注文住宅を建てる場合

35坪は大体115m2です。建築費用は、約3,500万円程度になります。3LDKや4LDKの間取りが多く、大人2人と子ども2人の4人暮らしにぴったりの大きさの家です。

LDKに吹き抜けと勾配天井をつくって、明るく開放感のある空間にするのもよいでしょう。吹き抜けは延床面積に含まれないため、2階の面積の調整も可能です。

40坪の注文住宅を建てる場合

40坪は約132m2の広さになるため、建築費は約4,000万円です。

4人暮らしでも余裕を持って住める広さで、書斎や趣味スペースを追加でつくることができます。ゆったりと暮らせる間取りにしたい方や、こだわりの詰まった家にしたい方におすすめです。

うまく空間を利用すれば、2世帯住宅の家づくりもできます。その場合、水回りを共同スペースにして、居室やリビングを別世帯にするなどの工夫が必要です。水回りもそれぞれの世帯で分けるとなると、40坪以上のスペースが必要になってくるでしょう。

20坪の注文住宅を建てる場合

20坪は、約66m2の広さです。建築費は約1,980万円になります。ローコストのハウスメーカーであれば、1,000万円以下で建築できる可能性もあります。

20坪台の家は、1〜3人暮らしで快適に過ごせる広さです。3人家族で過ごすなら20坪台後半の広さがあるとよいでしょう。

コンパクトな家を建てるなら、平屋を建てる方法もあります。特に狭い土地を使って家を建てるなら、廊下などの余計なスペースを減らすことで、20坪でも快適な家の建築が可能です。また居室の広さは最低限にして、できるだけLDKの面積を確保し、天井を勾配天井にすると、コンパクトな家でも広々と開放感を感じられる家にすることが可能です。

予算別で実現できる注文住宅の特徴

注文住宅の費用相場を解説しましたが、「この金額では到底マイホームなんて建てられない」と思っている方もいるかもしれません。しかし、注文住宅は坪単価100万円近くかかるものもあれば、ローコスト住宅なら坪単価を50万円以下に抑えられることもあります。

それぞれの予算に合った家を建てられる可能性も十分にあるということです。そこでここからは、予算別で実現できる注文住宅の特徴を解説していきます。

1,000万円台の場合

建築費用1,000万円台は相場よりも大幅に低い金額ですが、ローコスト住宅やコンパクトハウスであれば建てられる可能性は十分にあります。

1,000万円台では、無駄な部分は極力省いたシンプルな総2階の家が建てられるでしょう。

建物を凸凹させずに四角形にして、屋根は軒を出さずに片流れか切妻屋根で、住宅設備や壁紙も必要最低限のグレードに抑えれば、1,000万円台のマイホームも夢ではありません。

ただ、限られた予算内でも耐震性や耐久性にはしっかりとお金をかけて、安心して暮らせる家づくりをおすすめします。

2,000万円台の場合

建築費用が2,000万円台なら、1,000万円台で妥協しなければならなかった部分も妥協せずに実現できる可能性がグッと高くなります。外壁にタイルを採用したり、キッチンや浴室の設備を新しいものにしたりすることもできるでしょう。

また、ローコストハウスメーカーだけでなく、他のハウスメーカーや工務店など選択肢の幅も広がります。

ただし、2,000万円台も費用相場より低い金額のため、必ずしも全ての理想がかなえられるというわけではありません。何でも希望通りの設備や材料を採用すると、あっという間に予算オーバーします。

どこにお金をかけるか、どこを妥協するか優先順位をしっかりと設置し、予算を意識しながら家づくりをしてください。

3,000万円台の場合

建築費用の予算が3,000万円だと、ある程度の理想もかなえやすくなります。

3,000万円台前半であれば、3〜4人暮らしでも十分な家の広さを確保でき、住宅設備のグレードも上げられます。3,000万円台後半なら、より余裕のある広さの家をグレードの高い設備や資材で建てられます。質の高いハウスメーカーで家を建てられる可能性も高いです。

4,000万円台の場合

4,000万円台なら、理想通りの家づくりが可能です。間取りも自由に考えられるので、中庭やバルコニー屋上などをつくれます。インナーガレージやスキップフロアのある家もよいでしょう。

予算が十分にあれば、自分が「こうしたい」と思える家づくりのアイデアを実現できる可能性が高まります。

費用相場を抑えた注文住宅を建てるには?

家づくりで重要なのは、自分たちが住宅ローンをどのくらい支払えるのか、どのくらいの予算を家づくりに充てられるのかなど、しっかりと資金計画をすることです。

資金計画をすることで、土地と建物それぞれにかけられる予算も分かってきます。その予算を大幅にオーバーしないように家づくりをしたいですよね。

そこで本章では、費用相場を抑えた注文住宅を建てるにはどうしたらよいのかを解説していきます。

ここでのポイントをしっかりと押さえることで、費用を抑えながらも自分たちの理想に近い家づくりを実現できるでしょう。

住宅ローンでどのくらい借りられるかを把握する

まずは予算オーバーしないためにも、住宅ローンをどのくらい借りられるかを把握しましょう。

住宅ローンは、住宅ローンを借りる人の年収や勤続年数、ローンの有無などから借入限度額が審査されます。家を購入すると決めたら、まずは住宅ローンの事前審査を行い、自分がどのくらいのローンを借りられるのかを把握し、そこから資金計画を立てていきます。

注文住宅を建てる場合、建物本体価格と付帯工事費用、確認申請費用などの諸費用、土地の購入代金が費用に含まれます。建物本体価格ばかり気にして予算を組むと予算オーバーする可能性があるため、それぞれの費用にどのくらいの予算がかかるのかを総合的に見るようにしましょう。

こだわりの優先順位を付ける

こだわりの優先順位もしっかりと決めてください。

注文住宅では、土地の選定から間取りの決定、設備や建材の設定に至るまで全て自分で決められる、自由度の高い家づくりができます。そのため、とことんこだわることもできますが、こだわった分だけ費用が高くなります。予算オーバーにならないためにも、どこに予算をかけるか、優先順位を明確にしてください。

万が一予算オーバーした場合も、どこを予算カットすればよいかが分かりやすくなり、家を建ててからも後悔しにくくなります。

安い土地を探す

安い土地を探すのも、費用相場を抑えた家の建て方です。土地の価格を抑えられれば、家本体にかけられるお金を増やすことができます。

複雑な形状の土地や傾斜地にある土地、L字型の土地などは、きれいな四角形の土地と違って間取りの検討に少し頭を使いますが、土地そのものは安く購入できる可能性が高いです。

ただし、安い土地は早い者勝ちです。自分たちだけで探すと、すでに他の方に購入されてしまって良い土地を探せない可能性もあります。不動産会社やハウスメーカーの方に手伝ってもらい、条件に合う土地があればすぐに連絡してもらうようにしましょう。

床面積を減らす

床面積を減らしてコンパクトな家を建てることで、大幅に費用を抑えられます。最近では、コンパクトハウスを建てる人も多く、小さな家でもプラン次第で快適に過ごすことが可能です。

コンパクトな家にする代わりに、LDKに吹き抜けと勾配天井を設けて縦にも空間の広がりを感じられる開放的な間取りを考えたり、できるだけ壁のないワンフロアの間取りを採用したりするとよいでしょう。

ただ、コンパクトにし過ぎると圧迫感のある窮屈な家になる可能性もあるので、家族の要望もしっかりと聞き入れた上で適度な広さの間取りを考えてみてください。

住み始めてから変更できる部分は安く済ませる

壁紙や水回り設備は、住み始めてからでもリフォームで変更できる部分です。家が完成してからでも変更できる部分は、グレードを下げるなどして安く済ませるとよいでしょう。

壁紙の張り替えは5〜10年に1度、キッチンや浴室も10〜15年程度で交換のタイミングになります。大きなこだわりがなければ、新築時はグレードの低い設備を導入すると、予算を大幅に抑えられるでしょう。

断熱材や窓など、後から交換するのが難しく、費用も大幅にかかる場所は新築時にしっかりと予算をかけるようにしましょう。断熱材や窓は家の断熱・気密性能に大きく関わってくるため、住み心地の良い家にするためにもお金をかけることをおすすめします。

外観をシンプルな形にする

凸凹の多い複雑な形の家は、外壁の面積が多くなります。また、屋根も合わせて複雑な形状にする必要があるため、こちらも費用が高くなる原因です。手間もかかるため、人件費も高くなるでしょう。

できるだけ1階・2階を同じ面積の総2階にすることで基礎や柱などの構造分や屋根材などの費用を節約できます。シンプルな四角形の家は、安定するため地震にも強いです。さらに屋根も部材や施工費の安い片流れにして、軒を全く出さない軒ゼロの家にするとコストカットできます。

ただ、家の形は実際に住むときの暮らしやすさにも影響してきます。あえて凹凸をつくって周囲から視線を遮ることができるバルコニーや縁側を設け、住み始めてからの住み心地の良さを優先するのも一つの手です。

予算を抑え過ぎて、「本当はこうしたかった」とならないように、家のプランニングを考えましょう。

水回りを集中させる

水回り設備を1・2階に分散させて配置すると、その分配管設備が複雑になり、配管工事が増えます。配管工事が増えるということは、その分コストも高くなります。

できるだけ水回り設備は1階に集中させて、キッチン・トイレ・浴室・洗面所を集約させると配管工事費用を抑えることが可能です。

また、水回りを集約させれば家事動線も効率がよくなります。キッチンで作業しながら、手が空いたら隣の洗面所に行って洗濯物を干すなど、移動距離も短く済ませることが可能です。水回り設備がバラバラに配置されていると移動回数も多くなって、家事動線も悪くなるため、住み始めてからの快適さを考慮する上でも水回りの集約はおすすめです。

壁を少なくする

室内の壁をできる限り少なくして、壁にかかる施工費を抑えるのも節約のポイントです。

壁を少なくすることで、コストを抑えられるだけでなく、室内の風通しもよくなります。

階段を仕切る壁を減らすためにリビング階段にしたり、各部屋に収納スペースを設けずに一箇所に大きなウォークインクローゼットを設置したりするのもよいでしょう。

子どもが小さいのであれば、新築時は1室の広い部屋、成長したら間仕切り収納やリフォームで壁をつくり2部屋にするという方法もあります。子どもが成長して独立したら、その部屋をまた1部屋にして、趣味部屋として使うのもよいでしょう。

後から部屋の間仕切りを変えられるようにすると、ライフスタイルの変化にも対応できるというメリットがあります。

設備のグレードを下げる

住宅設備のグレードを下げるだけでも、大幅なコスト削減になります。自分たちにとって必要な最低限の仕様だけにし、余計なオプションは付けないようにしましょう。

先にも述べたように、住宅設備は住み始めてからでも、リフォームで新しいものを購入できます。特にこだわりがなければ、新築時は標準グレードの設備でそろえて予算を抑えるという方法も選択肢に入れておきましょう。

予算カットする部分とそうでない部分を見極める

予算オーバーしたときに、コストカットすべき部分とそうでない部分を見極めましょう。

予算カットを避けたほうがよい場所は、断熱材や耐震設備、セキュリティ設備です。

断熱材は、室内を快適な温度に保つために非常に重要です。断熱材のグレードを下げてしまうと、夏は暑く、冬は寒い家になってしまいます。エアコン効率も下がって電気代が高くなってしまい、住み心地の悪い家になるため、断熱材のコストカットは避けてください。

また、日本は地震の多い国です。耐震設備の予算カットはせずに、万が一に備えて耐震性の高い家づくりをしましょう。家族と家を守るためにも、耐震設備にはこだわってください。

セキュリティ設備も重要です。防犯カメラやモニター付きインターフォンなどを備え、空き巣に入られにくい家づくりを心掛けましょう。防犯カメラは設置に10万円以上かかってしまいますが、ダミーカメラであれば安く取り付けられます。家族が安心して暮らすためにも、セキュリティにもお金をかけるようにしましょう。

補助金・助成金を利用する

補助金・助成金の利用もおすすめです。

例えば、子育てエコホーム支援事業では、性能の高いZEH住宅や長期優良住宅を建てると100万円の補助金交付が受けられます。性能の高い家にするためには、断熱材のグレードを上げたり省エネ性能の高い設備を導入したりしなければなりませんが、補助金がもらえることを考慮すると、お得に家を建てられる可能性が高いです。

また、ZEH住宅や長期優良住宅などの省エネ住宅を建てることで、住宅ローン減税や登録免許税の軽減など、他の軽減措置も受けられます。家を建てると固定資産税などの税金負担もかかってくるので、少しでも負担を抑えたい方は、省エネ住宅の建築も検討しましょう。

限られた予算で理想の注文住宅を建てるための考え方

建築費用にどのくらいの予算をかけられるかによって、注文住宅の質は大きく変わってきます。予算が十分にあるのであれば、とことんこだわった家づくりをしたいですよね。

しかし、実際は予算が限られているため、その限られた予算の中で家づくりをしなければなりません。土地から探さなければならない方は、土地にかかるお金も気にする必要があります。

限られた予算で理想の注文住宅を建てるためにはどのようにすればよいのか、注文住宅を建てるための考え方をご紹介します。

立地を優先するなら土地購入に予算をかける

立地にこだわりたい方は、土地の購入に予算をかけて建物本体にかかる費用を節約しましょう。駅の近くがよい、仕事場から近いところがよい、閑静な住宅街に家を建てたいなど、立地に対するこだわりがある方は、土地購入の予算配分を大きく確保してください。

当然ですが、土地にお金をかけるということは、建築費用をある程度削減する必要が出てきます。あまり高額な土地を選ぶと、家づくりで我慢しなければならない部分もたくさん出てくるため、予算の配分には気を付けましょう。

内装・外装にお金をかけるなら他を妥協する

家の内装や外装にお金をかけたいなら、土地や外構などを妥協しましょう。

少し仕事場から遠くなるものの安い土地や、きれいな四角形ではない変形地ではあるものの十分に理想の家を建てられる土地などであれば、その土地を選ぶのも一つの手です。また、外構工事は家が完成してから数年後に行う人もいます。住み始めてから、外構工事に使える分の貯蓄がたまるまで我慢する、という方法もあるでしょう。

とにかく安く抑えるなら別の方法を選択する

とにかく安く抑えたい方は、1,000万円台で建てられる注文住宅を検討しましょう。もしくは、建売住宅や中古住宅の購入という選択肢もあります。

建売住宅は、すでに完成した家を購入するため、立地や間取りの変更はできませんが安く購入できます。

また、中古住宅であれば建物本体を安く購入し、後からリフォーム・リノベーションを行って住むことも可能です。リフォーム・リノベーションであれば新築住宅を建てるよりも予算が抑えられます。最近では、新築のようにきれいな家にリフォーム・リノベーションができるので、予算重視で安く抑えたい方は中古住宅も検討してみましょう。

まとめ

注文住宅の費用相場や、費用相場を抑えた注文住宅の建て方について解説しました。

注文住宅は年々価格が高騰していますが、ハウスメーカーや工務店の選び方によって予算を抑えた家づくりも可能です。

また、家づくりを始める際には、資金計画を行い何にお金をかけたいか、どこであれば妥協できるのかを考えてみましょう。限られた予算を有効に使うためにも、資金計画はとても重要です。

これまでの費用相場の話を参考に、家づくりにかかる予算をしっかりと計算してみることをおすすめします。