植物園から生まれたFFCテクノロジー。その効能を解説。vol.3
免疫住宅「ネクストの家」に採用されているFFCテクノロジー。人体に備わる免疫機能に注目したこの技術は、一体どのような効能をもたらすのでしょう。
今回は、FFCテクノロジーを「免疫住宅」として製品化されている「株式会社ウッドサークル」代表取締役の江頭新太郎様にお話をお聞きしました。
目次
FFCテクノロジーとの出会い
江頭社長によると、建材に活用する以前に意外な形でFFCテクノロジーを知っていたそうです。
江頭社長
実は、住宅にこの技術を用いたのはだいぶ後の話なんですよね。
そもそもの始まりは、先代社長である私の父が『間伐材の有効利用研究会』を立ち上げたことから。間伐材(※)の有効利用を目的として“木のトレー”を開発したんですが、、梅雨の時期にカビが発生してしまって…。食べ物をのせるトレーなので、カビ防止の薬剤を使うわけにはいかない。いろいろと試している中で、母が飲んでいたFFCの健康飲料水に目を向けました。母はひどい偏頭痛に悩んでいたのですが、その飲料水を知り合いに勧められて飲んでいたら改善したという。それでうちの父が飲料水の製造元を調べてコンタクトを取ったんです
※間伐材…密集化した森林の立木を間引く「間伐」で発生する木材のこと。樹間が詰まっていると台風や大雨で地滑りなどの災害を引き起こす可能性があるため、環境保全のためにも間伐が進められている。
江頭社長
父がFFCテクノロジーの開発元を訪れると、そこは『赤塚植物園』という植物園でした。園内の植物にFFCテクノロジーで生成した水を与えているそうです。でも、その水が肥料になったり、直接的に病気が治ったりするわけではない。植物が育つ土壌の“酸化と還元のバランス”を整えるために使われていたんです。環境が整うことで、土中の微生物が病気の元になるカビや化学物質をしっかりと分解できるようになり、植物も元気に育っていたんですね。
酸化と還元のバランスに注目
江頭社長のお話で出てきた「酸化と還元のバランス」というキーワード。
実は、酸性雨や化学物質など環境汚染の影響で多くの土壌は酸化傾向にあるそうです。「酸化」とは、「物質が酸素と化合すること、または水素を失うこと」。
分かりやすい例で言えば、木が腐ったり、釘が錆びたり…。私たちの身の回りで探すと「劣化する」「ダメージを受ける」といった反応が多いですね。
「酸化」の反対は「還元」と呼ばれています。つまり「酸素と化合した物質から酸素を奪うこと、またはある物質が水素と化合すること」。
酸化が問題ならば土壌を全て還元してしまえばいいのかと言えば、それもまた問題です。生物に必要な酸素を奪ってしまうわけですから。酸化しすぎても、還元に偏りすぎてもうまく植物は育ちません。酸化と還元のバランスを適正に保つことで、生物が本来持っている生命力を発揮することができるのです。
そして、そのバランスを整えるのが、FFCテクノロジーというわけです。ウッドサークルの皆さんが赤塚植物園で目の当たりにしたのが、まさにこの検証だったのですね。
もしかして同じような話を、どこかで聞いたことはありませんか?
そうです、前々回、前回とブログでご紹介した「人体の免疫機能」です。
FFCテクノロジーを施した家に住むことで、人の体の中で菌やウイルスを防ぐ善玉菌を活発化し、害をもたらす悪玉菌を抑制する働きがあると説明しましたね。土壌=住まい、土壌に育つ植物=私たち、と置き換えてみると分かりやすいのではないでしょうか。
ウッドサークルさんは、FFCテクノロジーで木製トレーのカビを見事に防ぐことに成功。一緒に動いていた大学の研究機関から『この技術をトレーだけに使うのはもったいない』と勧められ、住宅建材への応用がスタートしたそうです。
比較実験でわかるFFCの効果
ウッドサークルさんでは、FFCテクノロジーについてさまざまな実験を進められ、いずれも成果が認められています。
例えば、FFCテクノロジーを施した本とそうでない本を用意して、その上にバラの切り花を置きます。(切り花をさしたコップの中の水はどちらも普通の水です)
気温も湿度も日当たりも同じ環境で、そのまま1ヶ月…
FFC未処理の本の上のバラ
本のインク(化学物質)の影響で健康被害を受け、早期に枯れてしまいました。
FFC処理した本の上のバラ
インクの化学物質をFFCテクノロジーが分解することで、バラの品質が損なわれることなく本来持つ生命力のまま生きることができたのです。
もっと知りたい方は、ぜひウッドサークルさんの「免疫住宅」のサイトをのぞいてみてください。
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江頭社長へ独自インタビューを行いました。ぜひご覧ください。
さて、植物を育む土壌にヒントを得て生まれた健康住宅のアイデア。
その効果を実感できるのは、はっきりとした疾患や病気を抱えている方だけではありません。長く付き合う我が家だからこそ、誰もが健康な住まいの重要性について目を向けてみる必要があるのではないでしょうか。
参考資料
免疫住宅「おいしい空気の吸える家」http://www.immwood.jp/Facebook
赤塚グループ「土壌改質」 https://www.akatsuka.co.jp/soil/
次回は最後になります。健康な暮らしのメリットをお届けします。