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ネクスト通信
2023/08/06

回遊動線のある間取りとは?「メリット・デメリット」「間取り事例3選」をご紹介

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人が建物の中を移動する道筋を「動線」と呼びます。リビングからキッチン、キッチンからバスルームなど、目的の場所まで効率よく移動するための動線は、間取りの計画に無くてはならない発想です。どのような動線にするか考えることで暮らしやすさは大きく変わります。

そして、日々生活を送る上で必ず通る動線に回遊性を取り入れた「回遊動線」という考え方があります。間取りに回遊性を取り入れることで行き止まることなく効率的に移動ができ、家事の負担も減るため、近年では多くの間取りに取り入れられています。

今回は「回遊動線」についてのメリット・デメリットや事例を交えたポイントを解説していきます。

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回遊動線のある間取りってなに?

「回遊動線」とは、家の中に行き止まりがなく家の中をスムーズに移動できる動線です。

例えば、玄関からリビング、リビングからキッチン、キッチンから脱衣所、脱衣所から廊下など、部屋から部屋へと行き来できる状態です。逆にキッチンで行き止まる間取りや、リビングの入り口が1ヶ所などの間取りは回遊動線がある間取りとは言えません。

 家の中の移動がスムーズになれば、生活する上でのストレスが減り快適に過ごすことができます。こうした回遊動線を意識した間取りは、近年住宅にも多く取り入れられています。 

回遊動線にはどんなメリットがある?

生活する上での動線が長くなると、家事や子育ての負担が増え「小さなストレス」が蓄積されていきます。そこで間取りに回遊動線を取り入れることによって室内の無駄な移動が減り、ストレス軽減だけではなく時間短縮にも繋がります。このように間取りに回遊性をもたらすことで、日常生活を送る上ででさまざまなメリットが生じます。では、具体的にどのようなメリットがあるのか、以下のポイントごとに解説します。

  • 家事の負担が減る
  • 室内が開放的になる
  • 家族が多くても広く使える

家事の負担が減る

回遊動線は家事の効率を上げ負担を減らすことにつながります。中でも一番影響が大きいのは「洗濯」です。洗濯は、洗濯物が出てから「洗う、干す、畳む、しまう」という一連の作業があります。脱衣所に行くためにはリビングを必ず通らなければならない場合、1回の洗濯で家中を何度も往復することになります。

 そこで回遊動線を意識し、脱衣所の入り口を増やしたり、干し場までの距離を短くすることで移動のストレスが軽減します。 また、水回りを集約して移動距離を短くするのもひとつの手段ですが、近年ではランドリークローゼットも人気です。洗ってから収納するまでを一部屋でできるため家事の負担を軽減させる工夫のひとつです。

室内が開放的になる

廊下をなくした分、部屋に使える空間は広がります。さらに隣の部屋にも視線が向かうので体感的な広さはグッと変わります。リビングやダイニングなら、部屋と部屋の壁を排除したり、光を上手に取り入れたり、+αの工夫でより開放感が演出できます。

家族が多くても広く使える

朝の出勤前など家族が一斉に活動する時間帯は、どうしてもバッティングしがちですよね。 特に洗面所やトイレなどの水回りは渋滞が発生しやすくスペースが限られているため生活のストレス要因のひとつとなります。  渋滞する場所に出入り口を増やすなどして、いくつかのルートを用意することで、誰もがスムーズに目的の場所に辿り着けます。

回遊動線にはデメリットもある?

回遊動線があることで移動のストレスが軽減しますが、一方で通り抜けを意識した設計になるため収納力などのデメリットが出てきます。設計の段階でカバーできる対策まで考えておきましょう。主なデメリットは以下のようなポイントです。

  • 収納スペースが減る
  • コストが高くなる

収納スペースが減る

回遊動線を確保する場合、通り抜けの良さが重要になるため入り口を複数設けることになります。そうなると壁面が減り収納棚やクローゼットなどを設置するスペースが減り、収納スペースの確保が難しくなります。

また、通路を広く取らず各部屋の行き来を優先するため、部屋内の家具を配置するスペースが限定されます。 設計の段階で収納を意識し、クローゼットやストック部屋、ガレージや倉庫など、まとまった収納空間の確保しましょう。 

コストが高くなる

回線動線を取り入れることで、ドアなどの部材が増えてしまい材料費や施工費が高くなる可能性があります。設計次第で費用対効果は得られるのですが、コストの面はきちんと確認しておきましょう。

また、開放感を意識しすぎると壁面が減ってしまい構造上弱くなってしまう可能性があります。 両立させる場合、安全面も考慮した設計になるため耐震構造対策による建築費の増加も考えられます。間取りを考える際は、優先順位をつけながら設計しましょう。 

機能的な回遊動線を考えよう

回遊動線を確保する際は、しっかり目的を定めて設計することが重要です。「家事の負担を減らしたい」「開放感のある空間にしたい」「移動距離を短く済ませたい」など、何のために回遊動線を確保するのかを決めてることが大切です。

リビングを起点とした動線

家の中で一番広い空間となるリビングを起点に各部屋へ通じるような間取りにすることで回遊性が上がります。また、出かける前や帰宅後など移動する時にリビングを通るので、家族のコミュニケーションも深まります。

 ただし注意点として、リビングの回遊性が上がることでお風呂やトイレ、キッチンなどすべての通り道となる可能性があるため、ゆったりくつろぐためのリビングが落ち着かなくなります。リビングスペースには干渉しすぎないように設計することがポイントです。 

キッチンを起点とした動線

キッチンを中心に回遊動線を意識することで、料理など家事の負担を軽減させることができます。たとえば、玄関からキッチンまでの距離を短くすることで買い物帰りの負担を減らします。

その他にも収納スペースをキッチン横に設けることでキッチン全体の収納力が上がります。このように生活の流れを意識した動線を作るとことで家事の負担を減らすことができます。

脱衣所を起点とした動線

洗面所・脱衣所を基点に考え、洗濯機、物干し場、クローゼットまでの動線を一本化できると家事はグッと楽になります。浴室からトイレへの動線ができれば水回りの掃除に便利です。また、リビングからバス、トイレそれぞれの動線を分けると家族間での渋滞も解消できます。

回遊動線のある間取り事例3選

ここからは実際の事例とともに「回遊動線」のある間取りをご紹介します。

また、施工事例一覧ページでは内装写真も豊富に掲載しています。今後の設計イメージにぜひお役立てください。「ネクストの家 – 施工事例

玄関からの2WAY動線

「ホールからLDKへの最短」と「SCとWICを経由して洗面所へ直行可能」な2WAY動線となっています。
SCで靴を脱いでパントリーで買い物の荷物を置いてキッチンへ向かうことも可能です。また、2階からそのまま外出することもできるため、LDKの空間もしっかり確保しています。

 SC横のWICはお子さまのお出かけセットやLDKに脱ぎっぱなしになりそうなコートや上着などををかけておけます。 

キッチンを中心に行き止まりなく回遊できる動線

キッチンを中心として、部屋全体を行き止まることなく回遊できる間取りです。

回遊動線を確保しつつもリビングスペースには干渉しないため、移動もスムーズでかつ人の移動が気にならない設計です。 また、脱衣所の出入り口も2ヶ所あり「脱衣所からWIC」「脱衣所から掃出し窓」までスムーズに移動できるため、洗濯の負担を大きく減らすことができます。 

正方形でコンパクトながらも無駄のない動線

こちらは比較的、正方形に近い間取りですが動線に無駄がなく部屋を一周できます。

脱衣所とキッチンの間にはパントリーがあり収納スペースを確保しています。また、脱衣所を広く取ることでランドリークローゼットの設置ができるようになり、さらに収納力を上げることができます。

後悔しない回遊動線にするためには?

より良い回遊動線のある間取りにするために抑えておきたい項目を以下にまとめました。ただ移動を短くする、壁をなくすという発想ではなく、生活全体をイメージすることで後悔しない間取りになります。家づくりのプロと相談しながら対策を考えましょう。

  • 十分な広さを確保する
  • 通路をなるべく減らして回遊ルートを作る
  • 収納スペースを工夫する

十分な広さを確保する

回遊動線を取り入れる場合は十分な広さを確保しましょう。通路をあえて設けない場合は、部屋の中を行き来することになります。 各部屋が狭くなると、せっかく移動のしやすい動線を確保しても、すれ違いにくくなります。また、各部屋の動線には家具が配置できないため、家具によって使える居室のスペースが狭くなる可能性もあります。人が多くすれ違う部分はどこなのか、家具の配置はどこに設置するのかなど予め想定して設計しましょう。 

収納スペースを工夫する

収納が減ってしまうデメリットについては、壁面収納やシューズインクローゼットを動線上に組み込んでみましょう。買い物のストックができる壁面収納が玄関とキッチンの間にあれば、買い物帰りの流れですぐに使わないものをそのまま収納できます。シューズインクローゼットを作るなら、庭から洗面所やランドリールームへの扉を付けてみてはいかがでしょう?雨などで汚れた服や靴をすぐにお手入れできます。

回遊動線がどこまで必要なのか考える

 最後に重要なのは、冒頭でもお伝えした通り「快適な生活ができる間取り」であることです。回遊動線を意識しすぎるあまり、収納スペースがなく追加コストがかかったり、プライベート空間が失われすぎたり、自分たちのライフスタイルに合わない間取りになってしまわぬよう注意が必要です。 

趣味や家族構成、資金や土地の広さなど、あらゆる要素を加味した上で最も自分たちの生活に合うと思う間取りにしましょう。

まとめ

今回は回遊動線について事例も交えながら解説をしました。回遊動線を取り入れることで生活における様々なメリットがある一方で、むやみに回遊性を上げるだけではかえって利便性を損なう可能性があります。そうならないためにも間取りを決める際には、自分たちの生活スタイルを振り返ることから始めましょう。

図面だけではどうしても生活イメージがわかないためモデルルームなどを見学し、実際の生活ではどのような動きになるのか体で確かめながら設計することをオススメします。上記で紹介したポイントを意識しながら理想の建売住宅を探してみてくださいね。

また、住宅を決める際は営業担当もかなり重要な要素です。会社の特性や接客時のやりとりも含めて、親身になってくれる担当を探し、常に相談できる状況にしておくのがオススメです。