戸建ての間取りを決める流れとは?人気の間取りとコストを抑える工夫も紹介
ブログ戸建ての間取りを決めるとき、何を基準にしたらよいのでしょうか。実現したいイメージがある一方で「どのようにプランを建てたらよいのか分からない」と悩んでいる方も多いかもしれません。
土地の形や道路の方角によって制限があるものの、工夫次第で理想のマイホームを手に入れることも可能です。
この記事では、間取りを決める流れと、建築コストを抑える工夫について解説します。人気の間取りも紹介しますので、マイホームの購入を検討している方はぜひ参考にしてください。
戸建ての間取りを決める流れとは?
戸建ての間取りは、どのように決めたらよいのでしょうか。まずプランを立てる一般的な流れを、5つのステップで紹介します。
- 道路から玄関までのアプローチを決める
- 必要な部屋数と水回りのレイアウトを考える
- 生活動線や収納量に問題がないか確認する
- 内装や設備を選択する
- 建築費がオーバーする場合はコストダウンを考える
目次
ステップ1:道路から玄関までのアプローチを決める
まず道路と敷地の関係を確認し、道路から玄関までのアプローチを考えましょう。動線は短いほうが便利なため、道路から見える場所に玄関を設けるのが一般的です。
しかし南側に玄関を配置してしまうと、日当たりの良い場所を使ってしまうことになります。日当たりの良い場所にリビングを配置したい場合は、東面や西面の比較的道路に近い場所に、玄関をレイアウトするとよいでしょう。
道路と玄関が近すぎる場合は室内が丸見えになる恐れがあり、あえて道路側に玄関を配置しないこともあります。駐車する車の大きさや台数分のスペースを確保しながら、玄関の配置を考えましょう。
ステップ2:必要な部屋数と水回りのレイアウトを考える
次に、欲しい部屋数と水回りのレイアウトを考えます。例えば4LDKであれば、1階にリビングダイニングと和室(もしくは洋室)、水回りを配置し、2階に3部屋設けるのが一般的なプランです。
2階にリビングをレイアウトする場合は、その逆になります。家族の寝室は1階になり、水回りの多くは2階に配置することになるでしょう。
必要な部屋数と水回りのレイアウトを決めることで、おおまかな間取りが決まってきます。施工例などを参考にして、取り入れたい設備や特徴があれば、リストアップしておくとよいでしょう。
例えば以下の通りです。
- 2階リビング
- 吹き抜け
- パントリー・ランドリールーム
- 書斎・ワークスペース
- アイランドキッチン
- ウォークインクローゼット・シューズインクローゼット
希望や条件を伝えて建設会社やハウスメーカーに相談し、建築プランを提案してもらいましょう。
ステップ3:生活動線や収納量に問題がないか確認する
建設会社やハウスメーカーから間取りプランを提案してもらったら、実際の生活をイメージして、生活動線や収納量に無理がないか確認してみましょう。
例えば玄関からキッチンまでの動線が長すぎると、買い物して帰ってきたときに荷物の搬入に苦労するかもしれません。また洗濯機からバルコニーまでの動線が長いと、洗濯物を運ぶのに苦労します。
靴やコート類が多い家族は、シューズクローゼットを大きめにすると収納に困りません。十分な収納を確保し、自然と片付く家を目指しましょう。
ステップ4:内装や設備を選択する
マイホームのイメージに合わせて、内装や建具を選んでいきましょう。例えばフローリングやドア、窓枠などのカラーを合わせることで統一感が出ます。明るめのカラーを選べばナチュラルな印象になり、ダークカラーを選ぶとシックな印象になります。
色はあまり多用しないようにし、3色ぐらいに抑えましょう。アクセントカラーを取り入れたいときは家具やカーテン、ラグなどで取り入れると、まとまりよく仕上がります。
システムキッチンや浴室はメーカーごとにグレードがあり、選ぶラインによってコストが変わります。予算に応じて選択しましょう。
ステップ5:建築費がオーバーする場合はコストダウンを考える
間取りや内装、設備が一通り決まると、建設会社やハウスメーカーから建築費の総額が提示されます。依頼先に予算を伝えていたとしても、希望を取り入れていくうちに予算オーバーになることも少なくありません。
内装材や設備を見直し、コストダウンできる項目がないか確認しましょう。予算を削れるポイントがないか、依頼先に相談するのもおすすめです。
最終的に予算内のプランが出来上がったら、建設会社やハウスメーカーと建設工事請負契約を締結します。
人気の間取りを紹介
家づくりを計画している方のために、人気の間取りを紹介します。プランを建てる際のアイデアとして、ぜひ参考にしてみてください。
日当たり重視なら2階リビング
土地が狭く、日当たりが望めないときは、2階にリビングをレイアウトしてみましょう。隣家の位置や高さを考慮しながら窓を配置することで、明るいリビングを手に入れることができます。
また2階リビングの上の小屋裏を使い、高天井や勾配天井にすることで、開放的なリビングにすることも可能です。さらに天窓や高窓を設ければ、狭小地でも太陽光を取り入れやすくなるでしょう。
夏場は2階のリビングに温かい空気が集まりやすいため、夏の暑さ対策としてシーリングファンの設置やサーキュレーターの活用を検討しましょう。
家事効率の良い回遊動線にする
家事の効率やスムーズな動線を重視する方には、回遊動線がおすすめです。回遊動線とは、室内に行き止まりがなく、ぐるりと一周できる間取りのことです。
通常家事はリビングから洗面所、洗面所からバルコニーというように、家の中を行ったり来たりして行うことになります。
回遊動線であれば最短ルートで移動できるので、家事効率がよくなり、日々の家事負担も軽減できるでしょう。
また朝は身支度する時間帯が重なることが多く、洗面所やトイレへの経路で家族と鉢合わせることも少なくありません。しかし回遊動線であれば渋滞を回避できるので、出勤前のストレスも軽減できるでしょう。
アイランドキッチンにして家族で料理を楽しむ
アイランドキッチンは、複数人で料理することが多い家族や、おしゃれなインテリアを好む方に人気があります。アイランドキッチンとは、キッチンを壁に付けず、まるで島のように配置したキッチンのことです。キッチンの周りを回遊できるため、複数人でも作業しやすいのが特徴です。
アイランドキッチンはある程度空間に余裕がないと難しいと思われがちですが、キッチンとダイニングテーブルを横並びに配置、もしくはキッチンとダイニングテーブルを一体化したタイプを選ぶことで、限られたスペースでも採用することは可能です。
アイランドキッチンはおしゃれなイメージがありますが、リビングやダイニングからワークトップが丸見えになります。収納場所を確保し、レイアウトを工夫しましょう。
リビング階段ならコミュニケーションが取りやすい
子どもは成長するにつれて、顔を合わせる時間が短くなることがあります。家族のコミュニケーションを重視したい場合は、リビング階段を検討してみましょう。
リビング階段とは、文字通りリビングに設けた階段のことです。リビングに階段があれば、子どもは部屋に入る前にかならずリビングを通ることになります。自然と顔を合わせやすくなり、会話も増えるでしょう。
もしリビングの冷暖房の効きが気になる場合は、階段前に扉を付ける方法もあります。施工事例などを参考にして、建設会社やハウスメーカーに相談してみましょう。
吹き抜けで開放感を演出
吹き抜けは、開放感のある空間を好む方に人気です。「マイホームを建てるなら、吹き抜けのあるリビングにしたい」と、憧れている方も多いのではないでしょうか。
吹き抜けは上階の床面積を削ることにはなりますが、上部に窓を設けることで太陽光を取り入れやすくなるため、日当たりが望めない場合にもおすすめです。
吹き抜けは、リビングと上階が上下でつながることになります。別の階に居てもお互いの様子を感じやすく、家族間でコミュニケーションを取りやすくなるメリットもあります。
冷暖房の効きが心配な方は、シーリングファンや床暖房などの採用を検討してみましょう。
パントリーを採用して生活感を軽減
モデルルームのような生活感のない家を目指すのであれば、パントリーを採用しましょう。パントリーとは、食品や日用品の買い置き、食器などを収納するスペースのことで、キッチンのそばに配置する空間です。
パントリーに扉を付けて、独立した部屋のように造作することもありますが、あえてドアを設けないこともあります。
キッチン周りは何かと物が増えやすく、生活感が出やすい場所です。パントリーがあれば収納に困ることもなく、キッチンをスッキリさせることができるでしょう。
ちなみに出番の少ない大きな鍋やホットプレートだけでなく、冷蔵庫やオーブンレンジを置けるように計画する方もいます。使い勝手や動線を考えて検討しましょう。
共働きならランドリールームが便利
ランドリールームは、家事効率をアップさせたい共働きの方や、子育て世帯の方におすすめです。ランドリールームとは、一般的に洗濯・乾燥・アイロンがけ・畳む・収納までの家事を行う部屋のことをいいます。
ランドリールームがない場合は、洗濯機で洗った洗濯物をバルコニーに干し、取り込んだ洗濯物を畳んだら、それぞれの場所へ収納することになります。
しかしこの一連の家事をランドリールームで完結できれば、移動する必要もなく、家事をかなり効率化できるのです。
4人家族であれば2~3帖程度の広さが欲しいところですが、ランドリールームを造るのが難しい場合は、洗面所を広めにして兼用する方法もあります。
建築コストを抑えるコツを紹介
「なるべくコストを抑えたい」「予算をオーバーしてしまった」という方のために、建築コストを抑える7つのコツを紹介します。
- 家の形状・間取りはシンプルにする
- 水回りは一箇所にまとめる
- 標準仕様にしてオプションは極力減らす
- 和室よりも洋室のほうがコストは安くなる
- 屋上や地下室はコストが高くなる
- なるべくオープンな外構にする
- 建売住宅も視野に入れる
家の形状・間取りはシンプルにする
建築コストを抑えたい場合は、なるべく家の形状はシンプルにしましょう。同じ床面積でも正方形や長方形にすることで作業工程を減らすことができ、使用する建材も少なくなります。
基礎や構造部分は、建築コストの中でも大きな割合を占める費用です。形状をシンプルにするだけでも、建設コストを抑えることができるでしょう。
例えば子ども部屋は大きな一部屋にし、将来分けるように計画しておけば、壁の造作工事を減らすことができます。部屋もなるべく区分しないことが、コストカットにつながります。
水回りは一箇所にまとめる
キッチンや浴室、洗面所、トイレなどの水回りは、なるべく一箇所にまとめましょう。給排水管の経路を短くすることで、コストカットできます。
例えば水道や下水道が埋設してある道路に近い場所に水回りを配置できれば、その分配管を短くできます。
また2階のトイレは1階の水回りの上にレイアウトし、配管を短くする工夫しましょう。
標準仕様にしてオプションは極力減らす
注文住宅の場合でも、標準仕様が設けられているケースがあります。コストパフォーマンスが良い建材や設備が選ばれていることが多く、標準仕様を選択することでコストを抑えることができます。
例えばキッチンや浴室は、グレードや仕様を変えるだけでも、数十万円単位で予算が異なってきます。コストを大幅に下げたいときは、水回りにかかる費用を見直してみましょう。
また一つずつは大した金額ではないとしても、積もり積もれば大きな金額になります。コンセント一つにしても本当に必要なのか考えて、オプションや追加工事を減らす工夫をしてみましょう。
和室よりも洋室のほうがコストは安くなる
床の間や床柱があるような本格的な和室を設けようとすると、洋室に比べて作業工程が多くなり、建材費も高くなります。もしあまり必要性を感じないのであれば、洋室にするか、畳コーナーを採用しましょう。
和室はデッドスペースになることも多く、うまく活用できていないケースもあります。和室を造る際は、用途をよく考えてから計画しましょう。
屋上や地下室はコストが高くなる
屋上や地下室は生活空間が広がるのが魅力ですが、コストが高くなるので注意が必要です。例えば、屋上は歩行に耐えられる強度にした上で防水仕様にしなければならず、屋上の重量によっては、建物自体の構造を補強しなければなりません。
また屋根材に比べてメンテナンス費用が高くなることもあるので、将来かかる費用についても確認しておきましょう。
地下室を設ける場合は、構造計算費用や地下部分を掘って土を搬出する費用がかかります。また地下部分をコンクリートで造ることになり、広さによっては1,000万円以上かかることもあるのです。本当に必要なのか検討した上で、採用を決定しましょう。
なるべくオープンな外構にする
外構工事は意外と費用がかかります。敷地を全てブロックやフェンスなどで囲むと、その分費用がかさみますが、外に対してオープンな外構にすることでコストカットできます。
オープン外構は開放感が魅力ですが、植栽やフェンスを一部設置するなどして、不審者が侵入しにくい状況をつくることも忘れないようにしましょう。
また植栽や芝生などは、後から自分たちで植えることもできます。全てを施工業者に依頼するのではなく、あえて手を付けない箇所をつくり「自分たちができるものは自分たちでする」というのも一つの方法です。
建売住宅も視野に入れる
注文住宅は、自分の好みや土地に合わせて建てられるのが魅力です。しかし自由設計であるがゆえに、建築費も高くなる傾向があります。
最近ではデザイン性が高く、性能面でも注文住宅と比べても見劣りしない建売住宅もあります。注文住宅が予算的に難しいと感じたら、建売住宅も視野に入れて検討してみましょう。
建売住宅は土地がセットになっているため土地を別に購入する必要がなく、その分諸費用を抑えられる可能性もあります。
まとめ
戸建ての間取りを決める際の、一般的な流れについて解説しました。家族でどのような家を建てたいのか、また譲れないポイントについて話し合い、建設会社やハウスメーカーにプランを提案してもらいましょう。
希望を全て採用しようとすると、予算オーバーになりかねません。優先順位を考えて、プランを立てましょう。
しかしコストダウンを優先し過ぎると、理想の家づくりとはかけ離れたものになるかもしれません。予算に応じて土地と建物がセットになった、建売住宅も視野に入れて検討しましょう。
ネクストの家は、注文住宅だけではありません。一棟ごとに土地に合わせてデザインした建売住宅もご紹介できます。資金計画相談会も開催していますので、ぜひお気軽にご相談ください。